自己分析―心身医学からみた人間形成2009年08月18日

池見 酉次郎 著
★講談社現代新書★

著者は心身医学が専門の内科医。
心が影響して起きる身体の症状について、また、シュルツの自律訓練法、「笑い」「芸術」「ふれあい」によるストレスの解消について、具体例が豊富で専門家でなくても理解しやすい。

今あらためて読み直して思うこと。
今でこそ、心療内科があり、癒し系(?)が注目されている。が、、少し以前に遡ると、心の問題、ことに病となると偏見が強かったものだ。
その頃からすでに、心や性格のひずみが起こす体の症状を治そうとする医師はいて、しかも、(少なくとも今の私には考えられないほど)献身的だったのだ。
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ユークスキュール親子の言葉
「さまざまな動物に見える世界は、それぞれ異なっており、人間の目に映るものともひどく違っている」(父、動物学者)
「同一の世界に住みながら、それぞれ異なる人生観を持っている人間達も、別々の世界ないし宇宙に住んでいる」(子、心身医学者)
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この本が出た頃の新書は、内容が濃くて深かった、ような気がするが、最近は、がっかりすることが多い。年齢のせいかもね。
タイトルにひかれて、うっかり買うと、ひどいのになると読むほどのところが数行ぐらいしかなかったりして。