枇杷の花2009年07月25日

佐藤佐太郎著

古書店で購入。
「暦日短促」という言葉と、著者のサイン入り。
調べてみたら、これは道元の言葉であった。

著者は齋藤茂吉に師事した短歌の人で、昭和二十年代から四十年代のころの随筆集。
戦後のころの日本人の心情が、変な話だが、とても新鮮に感じられる。
この人は戦火で焼かれた東京を見て暮らしていたのだ。
国全体が貧しくて困っていたはずなのに、平成日本よりだいぶ明るい。
どうやらこの時代の人は、貧しさで苦労はしていても「絶望」している訳ではないらしい。

ところで、この本は装丁がとても綺麗だ。
本体はクリームの地グレーで芥子の花が描かれている。
カバーはオレンジ色で、タイトル・著者名とともに同じ芥子のイラストが白抜きにはいっている。
しかもこの芥子の花の絵がなかなかよい。
それだけに・・・
装丁者が何故「枇杷の花」の表紙に「芥子の花」を入れたのか、非常に不思議だ。

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