『源氏物語』と『枕草子』 謎解き平安ミステリー2009年12月01日

小池清治 著
PHP新書

なんだか文体がドラマチックだし!
それで『源氏物語』と『枕草子』の怪しいあたりを書いてくれてるところがうれしい。

真実を隠したかった人たちは、いつの時代にもいたことだろう。
その人たちが、代々、世間を納得させるために創作したのが『歴史』なのかも。
一般家庭でも、おばあさんの若い頃のスキャンダルなんて「言わない約束」にしておけば、三世代後には誰も知らないわけだし。
「新書」では久々の満足。

自己分析―心身医学からみた人間形成2009年08月18日

池見 酉次郎 著
★講談社現代新書★

著者は心身医学が専門の内科医。
心が影響して起きる身体の症状について、また、シュルツの自律訓練法、「笑い」「芸術」「ふれあい」によるストレスの解消について、具体例が豊富で専門家でなくても理解しやすい。

今あらためて読み直して思うこと。
今でこそ、心療内科があり、癒し系(?)が注目されている。が、、少し以前に遡ると、心の問題、ことに病となると偏見が強かったものだ。
その頃からすでに、心や性格のひずみが起こす体の症状を治そうとする医師はいて、しかも、(少なくとも今の私には考えられないほど)献身的だったのだ。
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ユークスキュール親子の言葉
「さまざまな動物に見える世界は、それぞれ異なっており、人間の目に映るものともひどく違っている」(父、動物学者)
「同一の世界に住みながら、それぞれ異なる人生観を持っている人間達も、別々の世界ないし宇宙に住んでいる」(子、心身医学者)
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この本が出た頃の新書は、内容が濃くて深かった、ような気がするが、最近は、がっかりすることが多い。年齢のせいかもね。
タイトルにひかれて、うっかり買うと、ひどいのになると読むほどのところが数行ぐらいしかなかったりして。

乱用厳禁!トランプ予言入門 初めて知る52枚の神秘2009年07月30日

火星人 著

たとえ「占い」を信じていなくてもこの本は面白い!
占いもさることながら、むしろ読み物としてお気に入りです。
各カードの説明にある「実占例」というのがイケてます。
ちょっと下世話なドラマが52個作れそうな・・・

理科系の作文技術2009年03月25日

さぎうさぎ氏読書図
木下是雄著
中公新書

論文に日本語の曖昧表現が向かない、というのは分かる。
海外の読者向けならなおさらだろう。
私も以前は、仕事の報告書などは簡潔明瞭を目指していた。

しかし、最近の日本国内で仕事をする場合、ビジネス文書でこの作文作法は使えるのだろうか?
私の仕事の現場では、ストレートな物言いは避けられ、曖昧にぼかした表現を求められている。
私なら明確に言ってもらえないと気持ち悪いのだけれど、最近は仕事の報告書にすら傷つく(?)人が増えているのだろうか?
それとも、これは私の周辺だけの現象?

馬鹿馬鹿しいと思っているのだが、仕事が円滑に進まないのは非常に困る。
かくて私は、歯に衣を着せ、オブラートで包み、どうとでも解釈できるような書き方で何とか用件を伝え、一行ですむところに数行を費やすことに日夜努力をしている・・・

悪魔のささやき2009年03月09日

悪魔の尻尾を見るさぎうさぎ氏
加賀乙彦著

うっかりしてたら犯罪を犯してしまうかもしれない。
なんとなくそんな心配を感じてた。
車を運転しているときにぼんやりしたら事故を起こしかねないように、なんてことのない日常でもうっかりしたら何かやってしまいそうな気がして。
それが自分だけじゃないなんて、安心したような、かえって心配なような…

あわただしくてストレスだらけな今の時代、犯罪を犯さずにすむ人生はそれだけでも運がいいのかも。